外国人来日の流れについて

在留資格関連情報

「外国人の在留資格について」で紹介したように、外国人は日本に滞在するために、在留資格が必要となります。在留資格を取得するための流れを紹介いたします。

一.入国審査の基準

 最初に外国人の入国条件についてお話します。入管法(全称:「出入国管理及び難民認定法」)第7条によると、外国人が日本に入国(厳密に言うと上陸)する際に入国審査官の審査を受けなければなりません。審査基準をまとめると以下の6つになります。

①有効な旅券と査証(査証が必要な場合)を所持しているかどうか

②申請した活動内容が真実であるかどうか

③行う予定の活動内容に対応する在留資格の有無(在留資格該当性)

④行う予定の活動内容が法務省令に適合するかどうか(上陸許可基準適合性)

⑤申請にかかる在留期間が法務省令に適合するかどうか(上陸許可基準適合性)

⑥上陸拒否事例に該当するかどうか

 審査基準③は他の記事でも言及したように、行う予定の活動内容が対応している在留資格が存在しなければなりません。これを「在留資格該当性」と言います。また、活動内容が該当する在留資格を有すると同時に、法務省令の基準に適合しなければなりません。ここで言う法務省令は、日本の産業及び国民生活に与える影響その他の事を勘案して定めるものです。これに適合する事を「上陸許可基準適合性」と言います。

二.在留資格認定証明書制度

 しかし、入国しようとする全部の外国人の「在留資格該当性」と「上陸許可基準適合性」を入国審査の場で検証するのは困難であり、入国手続きの効率も悪化します。それだけではなく、外国人にとって予定を組み、チケットを買い、日本の空港に到着してから入国できないと告げられたら、時間も金銭も損失は大きいです。そこで、よりスピーディーに外国人の「在留資格該当性」と「上陸許可基準適合性」を確認し、入国審査手続きをスムーズに進行させるため導入したのが「在留資格認定証明書」制度です。

 「在留資格認定証明証書」は法務大臣が事前に申請にあたる外国人の「在留資格該当性」と「上陸許可基準適合性」を認定した文書です。この書類を所持すれば、日本の空港で簡単に「在留資格該当性」と「上陸許可基準適合性」を証明することができます。

 この制度を利用する際のイメージとしては、

① 日本にいる代理人(受入機関、親戚、友達等)経由で出入国在留管理庁に「在留資格認定証明書」の交付を申請する

② 許可された場合、代理人が「在留資格認定証明書」を申請人の元に送付する

③ 申請人が「在留資格認定証明書」とその他の必要書類を持って、所在地を管轄する日本大使館にて査証(ビザ)を申請する

④ 査証が下りたら、パスポートと「在留資格認定証明書」を持って来日し、入国審査を受けて入国する

 というような流れになります。

 ここで注意して欲しいのは、「在留資格認定証明書」を発行するのは法務省です。一方、ビザを発給するのは在外日本大使館(領事館)であって、つまり外務省です。管轄が違いますので、たとえ「在留資格認定証明書」が許可されたとしても、必ずしもビザが発給されるとは限らないです。そのうえ、法務省の場合「在留資格認定証明書」不交付の理由を教えてくれますが、外務省はビザの拒否理由を教えてくれないです。

 そのため、「在留資格認定証明書」が不交付されても、理由に沿って修正し、再申請で交付される可能性がありますが、ビザ拒否され場合はなかなか難しいです。

 その他、「在留資格認定証明書」の有効期間が3ヶ月であるため、発行されてから3ヶ月以内に来日しなければなりません。通常、「在留資格認定証明書」の審査期間は約2〜3ヶ月、在外日本大使館のビザ審査が約1ヶ月です。これらの審査期間と予定している来日時期を考慮して、申請の手続きを進めるのがおすすめです。

まとめ

 外国人が日本に入国する際に査証等諸条件を満たす必要があります。よく使われているのは「在留資格認定証明書」制度です。日本にいる代理人経由で「在留資格認定証明書」を取得し、これを使って在外日本大使館にビザを申請して来日する。

 ※短期滞在(観光など)の場合は、この「在留資格認定証明書」制度が適用されず、直接現地の在外日本大使館にビザを申請します。

※関連記事:「外国人の在留資格について」、「永住者在留資格について」

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